腸内環境×スポーツの影響!パフォーマンスに与える絶大な影響と運動による腸内環境への影響

スポーツ栄養・健康食品

スポーツパフォーマンスの鍵は「腸内環境」にあります。腸は、栄養吸収、免疫、疲労回復、メンタルまで、アスリートのパフォーマンスに絶大な影響を与えます。その乱れは消化器トラブルや体調不良を招く一方、運動自体も腸内環境に良い影響と悪い影響の両方をもたらします。この記事では、腸内環境がスポーツに与える具体的な影響、運動による変化、そしてパフォーマンスを最大化するための食事や生活習慣による腸活術を解説。腸内環境を整え、あなたのスポーツ能力を最大限に引き出しましょう。

1. はじめに 腸内環境とスポーツパフォーマンスの密接な関係

アスリートや運動を日常的に行う人々にとって、パフォーマンスの最大化は常に追求すべきテーマです。日々のトレーニングや栄養管理はもちろん重要ですが、近年、その土台を支える「腸内環境」が、スポーツパフォーマンスに絶大な影響を与えることが明らかになってきました。

私たちの腸には、約100兆個もの腸内細菌が生息しており、これらが形成する「腸内フローラ」は、単に食べたものを消化吸収するだけでなく、免疫機能、エネルギー代謝、さらには精神状態にまで深く関わっています。腸は「第二の脳」とも呼ばれ、全身の健康と密接な関係があることが分かっています。

スポーツにおける腸内環境の重要性は、以下の点で特に顕著です。

腸内環境がスポーツパフォーマンスに与える影響の側面具体的な影響
栄養吸収とエネルギー産生食べた栄養素を効率よく吸収し、運動に必要なエネルギーを安定的に供給します。
免疫機能と体調管理病原菌の侵入を防ぎ、免疫力を高めることで、体調を崩しにくくします。
疲労回復と炎症抑制運動による疲労物質の排出を助け、筋肉の炎症を抑え、回復を促進します。
メンタル面と集中力腸と脳の連携(腸脳相関)により、ストレス耐性を高め、集中力を維持するのに役立ちます。

このように、腸内環境はアスリートのコンディション維持、怪我の予防、そしてパフォーマンス向上に不可欠な要素です。本記事では、腸内環境がスポーツパフォーマンスに与える具体的な影響から、運動が腸内環境に与える影響、そして腸内環境を整えて最高のパフォーマンスを引き出すための実践的な方法までを詳しく解説していきます。

【関連】EAA プロテイン 違いを徹底解明!パフォーマンスを最大化する賢い選び方とは?


2. 腸内環境がスポーツパフォーマンスに与える絶大な影響

腸内環境とスポーツパフォーマンスの関係 腸内環境 栄養吸収向上 エネルギー効率UP 持続力向上 免疫機能向上 感染症予防 体調管理 疲労回復促進 炎症抑制 筋肉修復 メンタル安定 集中力向上 ストレス耐性 スポーツパフォーマンス 最大化 善玉菌 悪玉菌

アスリートにとって、最高のパフォーマンスを発揮し、日々のトレーニング効果を最大化するためには、強靭な肉体と精神が不可欠です。しかし、それらを支える見過ごされがちな要素が「腸内環境」です。腸内には多種多様な細菌が生息しており、そのバランス(腸内フローラ、腸内細菌叢)が、栄養吸収、免疫機能、疲労回復、さらにはメンタル面まで、スポーツパフォーマンスのあらゆる側面に絶大な影響を与えます。

腸内環境が整っているアスリートは、エネルギー効率が高く、病気にかかりにくく、疲労からの回復も早い傾向にあります。逆に腸内環境が乱れると、消化器系のトラブルだけでなく、全身の不調やパフォーマンス低下につながるリスクが高まります。ここでは、腸内環境がスポーツパフォーマンスに具体的にどのような影響を与えるのかを詳しく見ていきましょう。

腸内環境の好影響スポーツパフォーマンスへの効果
栄養吸収とエネルギー産生効率的なエネルギー供給、持続力向上、トレーニング効果の最大化
免疫機能の向上と体調管理感染症リスク低減、体調不良の予防、安定したトレーニング継続
疲労回復と炎症抑制筋肉修復促進、早期の疲労回復、オーバートレーニングのリスク低減
メンタル面と集中力精神的安定、集中力向上、ストレス耐性の強化

2.1 栄養吸収とエネルギー産生への影響

スポーツ選手にとって、摂取した栄養素を効率良く吸収し、エネルギーとして利用することはパフォーマンスの根幹をなします。腸内環境は、この栄養吸収とエネルギー産生に直接的に関与しています。

腸内細菌は、私たちが消化できない食物繊維を発酵させ、短鎖脂肪酸(酪酸、プロピオン酸、酢酸など)を生成します。これらの短鎖脂肪酸は、腸管の主要なエネルギー源となるだけでなく、肝臓での糖新生を促進したり、脂肪酸の合成を抑制したりすることで、体全体のエネルギー代謝に貢献します。特に酪酸は、腸のバリア機能を強化し、栄養素の吸収効率を高める働きがあります。

また、腸内細菌はビタミンB群(B1、B2、B6、B12、葉酸など)やビタミンKなどの合成にも関与しています。これらのビタミンは、エネルギー代謝、神経機能、血液凝固など、アスリートの身体活動に不可欠な役割を担っています。腸内環境が良好であれば、タンパク質、炭水化物、脂質、ミネラルといった主要栄養素の消化・吸収もスムーズに行われ、トレーニングで消耗した身体への栄養補給が効率的に進みます。これにより、持続的なエネルギー供給が可能となり、持久力や筋力の発揮、そしてトレーニング効果の最大化に直結するのです。

2.2 免疫機能の向上と体調管理

腸は「第二の脳」とも呼ばれますが、同時に「最大の免疫器官」でもあります。私たちの体全体の免疫細胞の約7割が腸管に集中しており、これをGALT(Gut-Associated Lymphoid Tissue:腸管関連リンパ組織)と呼びます。腸内細菌は、この腸管免疫の成熟と活性化に深く関わっています。

腸内細菌叢のバランスが整っていると、免疫細胞が適切に機能し、病原菌やウイルスなどの異物の侵入を防ぎます。善玉菌が優勢な腸内環境では、病原菌の増殖が抑制され、感染症にかかるリスクが低減します。激しいトレーニングを行うアスリートは、一時的に免疫力が低下しやすい「オープンドア現象」に見舞われることがあり、風邪や上気道感染症にかかりやすくなります。このような状況下で腸内環境が良好に保たれていれば、免疫機能が維持され、体調を崩すことなく安定してトレーニングを継続することが可能になります。

体調管理はアスリートの生命線であり、免疫力の向上は、パフォーマンスの安定と向上に不可欠な要素と言えるでしょう。

2.3 疲労回復と炎症抑制

激しい運動は、筋肉や関節に微細な損傷を与え、炎症反応を引き起こします。この炎症は、筋肉の修復プロセスの一部ではありますが、過度な炎症や慢性的な炎症は、疲労の蓄積やパフォーマンス低下の原因となります。腸内環境は、この炎症反応の調節に重要な役割を果たします。

腸内環境が良好な状態では、抗炎症作用を持つ短鎖脂肪酸(特に酪酸)の産生が増加します。これらの短鎖脂肪酸は、全身の炎症を抑制する効果が期待されています。また、腸管バリア機能が維持されることで、腸内から炎症性物質や毒素が血中に漏れ出すのを防ぎ、全身性の炎症を抑えることにもつながります。

炎症が適切にコントロールされることで、筋肉の修復が促進され、運動後の疲労回復が早まります。さらに、腸内環境が整っていると、運動によって発生する活性酸素による酸化ストレスを軽減する働きも期待できます。早期の疲労回復は、次のトレーニングや試合に向けて身体を最高の状態に整えるために不可欠であり、オーバートレーニング症候群のリスクを低減し、パフォーマンスを最大化するために極めて重要な要素となります。

2.4 メンタル面と集中力への影響

アスリートのパフォーマンスは、肉体的な能力だけでなく、精神的な状態にも大きく左右されます。集中力、モチベーション、ストレス耐性といったメンタル面も、実は腸内環境と密接に関わっています。これは「脳腸相関(脳腸軸)」と呼ばれる、脳と腸が双方向に影響し合うメカニズムによるものです。

腸内には、セロトニン、ドーパミン、GABAといった神経伝達物質の前駆体や一部が腸内細菌によって生成されています。特に「幸せホルモン」として知られるセロトニンの約90%は腸で生成されると言われています。腸内環境が良好であれば、これらの神経伝達物質のバランスが整いやすくなり、精神的な安定や気分の向上に寄与します。

また、腸内細菌はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌にも影響を与えることが示唆されています。腸内環境が整っていると、ストレスに対する耐性が高まり、過度なストレス応答が抑制される可能性があります。試合前の緊張やプレッシャー、トレーニングによるストレスはアスリートにとって避けられないものですが、腸内環境を整えることで、これらのストレスに適切に対処し、集中力を維持し、最高のパフォーマンスを発揮するための精神状態を保つことができるのです。

2.5 腸内環境の乱れが引き起こすスポーツ時のトラブル

腸内環境の乱れは、アスリートにとってパフォーマンス低下に直結する様々なトラブルを引き起こす可能性があります。特に激しい運動を行うアスリートは、腸への血流変化やストレスなどにより、腸内環境が悪化しやすい傾向にあります。ここでは、その代表的なトラブルを解説します。

2.5.1 リーキーガット症候群と消化器症状

「リーキーガット症候群」(Leaky Gut Syndrome)とは、「腸管透過性亢進症候群」とも呼ばれ、腸のバリア機能が低下し、腸管上皮細胞間の結合(タイトジャンクション)が緩むことで、通常は吸収されないはずの未消化の食物粒子、毒素、細菌などが血中に漏れ出してしまう状態を指します。

アスリートの場合、激しい運動による腸への血流減少(腸管虚血)、ストレスホルモンの増加、特定の薬剤(非ステロイド性抗炎症薬など)の使用などが、リーキーガットを引き起こす要因となることがあります。リーキーガットは、腹痛、下痢、便秘、膨満感といった消化器症状だけでなく、全身性の炎症、アレルギー反応、慢性的な疲労、自己免疫疾患のリスク増加など、多岐にわたる不調の原因となり得ます。アスリートにとっては、消化器症状によるパフォーマンス低下、栄養吸収阻害によるエネルギー不足、慢性的な疲労、そして免疫力低下による感染症リスクの増大といった深刻な影響をもたらします。

2.5.2 SIBO 小腸内細菌異常増殖の問題

SIBO(Small Intestinal Bacterial Overgrowth:小腸内細菌異常増殖症)とは、通常は細菌が少ないはずの小腸で、大腸菌など特定の細菌が異常に増殖してしまう状態を指します。これは、大腸から小腸への細菌の逆流や、小腸の運動機能(蠕動運動)の低下、胃酸分泌の不足などが原因で起こることがあります。

SIBOの主な症状は、腹部の膨満感、ガス(おならの増加)、腹痛、下痢、便秘、吐き気など、過敏性腸症候群(IBS)と似た消化器症状です。小腸で細菌が異常に増殖すると、摂取した栄養素が細菌によって消費されたり、消化吸収が阻害されたりするため、栄養吸収不良を引き起こすことがあります。これにより、ビタミン(特に脂溶性ビタミンやビタミンB12)の欠乏や体重減少、貧血などが生じる可能性もあります。

アスリートがSIBOを抱えている場合、これらの消化器症状による不快感がトレーニングや試合中の集中力を妨げ、パフォーマンスを著しく低下させる可能性があります。また、栄養吸収不良はエネルギー不足や回復の遅延につながり、アスリートのコンディション維持を困難にします。

【関連】オメガ3の驚くべき効果と最適な摂取量を徹底解説!


3. 運動が腸内環境に与える影響

運動は私たちの健康に多大な恩恵をもたらしますが、腸内環境に対しても良い影響と、場合によっては注意すべき悪影響の両方をもたらす可能性があります。運動の種類、強度、期間によって、腸内環境への影響は大きく異なります。

3.1 適度な運動が腸内環境にもたらす良い影響

定期的な適度な運動は、腸内環境を健康に保つ上で非常に有効です。そのメカニズムは多岐にわたります。

  • 腸の蠕動運動の促進: 運動は腸の動きを活発にし、便の排出を促します。これにより、便秘の解消や腸内に有害物質が滞留する時間の短縮につながり、腸内環境の悪化を防ぎます。
  • 腸内血流の改善: 全身の血流が促進されることで、腸管への酸素や栄養素の供給が向上し、腸管細胞の健康維持に貢献します。
  • 腸内細菌叢の多様性向上: 研究により、適度な運動習慣がある人は、そうでない人に比べて腸内細菌の種類が豊富で、特に短鎖脂肪酸(酪酸など)を産生する善玉菌が増加する傾向があることが示されています。短鎖脂肪酸は腸のエネルギー源となり、腸のバリア機能強化や抗炎症作用に寄与します。
  • ストレス軽減効果: 運動はストレスホルモンの分泌を調整し、精神的なリラックス効果をもたらします。ストレスは腸の働きに悪影響を与えるため、ストレス軽減は間接的に腸内環境の改善につながります。自律神経のバランスが整うことで、腸の正常な機能が維持されやすくなります。

このように、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどの有酸素運動や、適度な筋力トレーニングは、腸内環境の健康維持に寄与すると考えられます。

3.2 過度な運動や特定のスポーツが腸内環境に与える悪影響

一方で、運動は量や質によっては腸に負担をかけ、腸内環境の悪化を招くリスクも存在します。特に、高強度・長時間の運動や特定の競技においては注意が必要です。

3.2.1 持久系スポーツと腸管虚血

マラソン、トライアスロン、ウルトラマラソンといった長時間にわたる持久系スポーツでは、「腸管虚血(ちょうかんきょけつ)」と呼ばれる状態が発生することがあります。

これは、運動中に筋肉への血流が優先されるため、消化管への血流が一時的に大幅に減少することによって引き起こされます。血流が不足すると、腸管の細胞は酸素や栄養が十分に供給されず、ダメージを受けやすくなります。この状態が長く続くと、腸のバリア機能が低下し、「リーキーガット症候群」(腸管壁浸漏症候群)を悪化させる可能性があります。

腸のバリア機能が損なわれると、未消化の食物粒子や細菌由来の毒素などが腸壁を通過しやすくなり、全身の炎症反応や免疫系の過剰反応を引き起こす原因となることがあります。アスリートが競技中や競技後に経験する腹痛、下痢、吐き気などの消化器症状は、この腸管虚血が関与している場合が多いです。

影響因子具体的なメカニズム結果として生じる問題
運動による血流再分配筋肉への血流優先消化管への血流減少(虚血状態)
腸管細胞への酸素・栄養不足細胞損傷、バリア機能低下
機械的ストレス走行中の物理的揺れ腸管への物理的負荷
腸管透過性の亢進リーキーガットの悪化
脱水体液量減少腸管血流のさらなる低下、消化機能の低下

3.2.2 ストレスホルモンと免疫機能の低下

過度な運動は、身体にとって大きなストレスとなり、ストレスホルモンであるコルチゾールなどの分泌を増加させます。コルチゾールは、短期的には炎症を抑える作用がありますが、慢性的に高濃度で分泌されると、腸管の透過性を高め、リーキーガットを促進する可能性があります。

また、過度な運動による身体的ストレスは、全身の免疫機能を低下させることにもつながります。腸は体内の免疫細胞の約7割が集まっている重要な免疫器官であり、腸内環境の乱れは直接的に免疫機能に影響を与えます。ストレスホルモンによる免疫抑制は、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスを崩し、感染症への罹患リスクを高めることが知られています。

オーバートレーニング症候群の状態に陥ると、疲労回復が遅れるだけでなく、消化器症状の悪化や風邪などの感染症にかかりやすくなるなど、腸内環境と免疫機能の両面で悪影響が現れることがあります。

【関連】オーガニック食品がスポーツパフォーマンスを劇的に高める理由


4. 腸内環境を整えてスポーツパフォーマンスを最大化する方法

4.1 食事による腸内環境の改善

腸内環境を根本から改善し、スポーツパフォーマンスを向上させるためには、日々の食事が最も重要です。腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑える食生活を心がけましょう。

4.1.1 プロバイオティクスを豊富に含む食品

プロバイオティクスとは、腸内環境を改善する生きた微生物のことです。これらを食品から積極的に摂取することで、腸内フローラのバランスを良好に保ち、消化吸収能力や免疫機能を高めることができます。

  • ヨーグルト、ケフィア:乳酸菌やビフィズス菌が豊富に含まれ、腸内環境を整える代表的な食品です。無糖のものを選び、継続的に摂取することが重要です。
  • 納豆:納豆菌が腸内で善玉菌として働き、腸内フローラの改善に貢献します。ビタミンK2も豊富で骨の健康維持にも役立ちます。
  • 味噌、醤油などの発酵調味料:日本の伝統的な発酵食品であり、多様な微生物が含まれています。ただし、加熱しすぎると菌が死滅するため、汁物に入れる場合は食べる直前に入れるなどの工夫をしましょう。
  • 漬物(ぬか漬け、キムチなど):植物性乳酸菌が豊富に含まれています。市販品を選ぶ際は、加熱殺菌されていないもの(裏面に「要冷蔵」と記載されているもの)を選ぶと良いでしょう。
  • 一部のチーズ:カマンベールチーズやチェダーチーズなど、熟成されたチーズには生きた乳酸菌が含まれていることがあります。

これらの食品を毎日少しずつ、種類を組み合わせて摂取することで、より多様な菌を腸に届けることができます。

4.1.2 プレバイオティクスで善玉菌を育む

プレバイオティクスとは、腸内の善玉菌の餌となり、その増殖を助ける難消化性の食品成分のことです。プロバイオティクスとプレバイオティクスを一緒に摂取する「シンバイオティクス」の考え方は、腸内環境改善に非常に効果的とされています。

プレバイオティクスには主に食物繊維とオリゴ糖があります。

4.1.2.1 食物繊維

食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられ、それぞれ異なる働きを持ちます。

種類主な働き豊富な食品
水溶性食物繊維水に溶けてゲル状になり、糖質の吸収を緩やかにし、コレステロールの吸収を抑制します。また、腸内細菌によって発酵され、短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸など)を産生し、腸内環境を酸性に保ち、善玉菌の増殖を助けます。海藻類(わかめ、昆布、ひじき)、きのこ類(しいたけ、えのき)、果物(バナナ、リンゴ)、大麦、オーツ麦、こんにゃく、ごぼう、アボカド
不溶性食物繊維水に溶けず、水分を吸収して便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促して便通を改善します。有害物質の排出にも役立ちます。穀類(玄米、全粒粉パン)、豆類(大豆、小豆)、野菜(ごぼう、セロリ、ブロッコリー)、きのこ類、ナッツ類

両方の食物繊維をバランス良く摂取することが大切です。特に、水溶性食物繊維から産生される短鎖脂肪酸は、腸粘膜のエネルギー源となり、腸管バリア機能の維持や免疫細胞の活性化に寄与するため、スポーツ選手にとって非常に重要です。

4.1.2.2 オリゴ糖

オリゴ糖は、腸内で善玉菌のビフィズス菌などの餌となり、その増殖を助けます。

  • 主な食品:玉ねぎ、ごぼう、アスパラガス、バナナ、大豆、牛乳など。
  • 摂取のポイント:市販のオリゴ糖シロップを飲み物や料理に加えることも手軽な方法です。

これらのプレバイオティクスを日常的に摂取することで、プロバイオティクスがより効果的に働き、腸内環境の改善を促進します。

4.2 サプリメントの活用

食事からの摂取が難しい場合や、より集中的なケアが必要な場合には、サプリメントの活用も有効な手段となります。ただし、サプリメントはあくまで食事の補助であり、基本はバランスの取れた食事が重要です。

  • プロバイオティクスサプリメント:特定の乳酸菌やビフィズス菌を効率的に摂取できます。製品を選ぶ際は、菌の種類(菌株)、菌数、胃酸に強いカプセルであるかなどを確認しましょう。スポーツ選手向けには、腸管バリア機能の維持や免疫力向上に特化した菌株が配合されたものもあります。
  • プレバイオティクスサプリメント:イヌリンやフラクトオリゴ糖などの食物繊維を凝縮した製品です。手軽にプレバイオティクスを補給できます。
  • グルタミン:アミノ酸の一種で、腸管細胞の主要なエネルギー源となります。激しい運動によって消費されやすいため、サプリメントでの補給は腸管バリア機能の維持や免疫力低下の予防に役立つとされています。
  • 消化酵素サプリメント:消化不良による腸への負担を軽減したい場合に検討されます。特に、高タンパク質の食事を摂るスポーツ選手にとっては、消化を助けることで腸への負担を減らし、栄養吸収を促進する可能性があります。
  • ビタミンD:免疫機能の調整や腸管バリア機能の維持に関与するとされています。特に日照時間が短い時期や屋内で活動することが多いアスリートは不足しがちです。
  • オメガ-3脂肪酸:炎症抑制作用があり、腸の炎症を和らげる効果が期待できます。魚油由来のEPAやDHAなどが含まれるサプリメントがあります。

サプリメントの利用に際しては、自己判断せず、医師や管理栄養士などの専門家に相談し、自身の体質や運動量に合ったものを選ぶことが大切です。

4.3 生活習慣の見直し

食事やサプリメントだけでなく、日々の生活習慣も腸内環境に大きく影響を与えます。腸内環境を良好に保ち、スポーツパフォーマンスを最大化するためには、以下の点にも注意を払いましょう。

  • 十分な睡眠の確保:睡眠不足はストレスホルモンの分泌を促し、腸内環境を乱す原因となります。質の良い十分な睡眠は、自律神経のバランスを整え、腸の働きを正常に保ちます。
  • ストレス管理:ストレスは自律神経を介して腸の動きや血流に影響を与え、腸内環境の悪化や過敏性腸症候群のような症状を引き起こすことがあります。瞑想、深呼吸、趣味の時間を持つなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
  • 適切な水分補給:水分不足は便秘の原因となり、腸内環境の悪化を招きます。特に運動中は多くの水分を失うため、こまめな水分補給を心がけましょう。
  • 禁煙・節酒:喫煙や過度な飲酒は腸粘膜にダメージを与え、腸内環境を悪化させる要因となります。
  • 規則正しい生活リズム:腸には「腸内時計」と呼ばれる独自のサイクルがあり、規則正しい食事や睡眠は、この腸内時計を整え、腸の正常な機能を維持するのに役立ちます。

4.4 運動内容と休息のバランス

運動は腸内環境に良い影響を与える一方で、過度な運動は腸に負担をかける可能性があります。スポーツパフォーマンスを最大化するためには、運動と休息のバランスが極めて重要です。

  • 適度な運動の継続:定期的な適度な運動は、腸の蠕動運動を促進し、便通を改善します。また、腸への血流を良くし、腸内フローラの多様性を高める効果も期待できます。
  • 過度な運動の回避とリカバリー:マラソンやトライアスロンのような高強度・長時間の持久系スポーツは、腸管への血流低下(腸管虚血)やストレスホルモンの過剰分泌を引き起こし、腸管バリア機能の低下や炎症を招くリスクがあります。
    • 運動強度と時間の調整:自身の体力レベルや体調に合わせて運動強度や時間を調整し、オーバートレーニングにならないよう注意しましょう。
    • 適切な栄養補給:運動前後の適切な糖質やタンパク質の摂取は、エネルギー不足によるストレスを軽減し、腸への負担を和らげます。
    • 十分な休息とリカバリー:運動後の疲労回復は腸の健康にも不可欠です。クールダウン、ストレッチ、入浴、十分な睡眠などを通じて、身体と腸の回復を促しましょう。
  • 体調の変化に敏感になる:運動中に腹痛、下痢、吐き気などの消化器症状が現れた場合は、無理をせず運動を中断し、腸への負担を考慮する必要があります。必要であれば専門医に相談しましょう。

【関連】プロテインダイエットは本当に効果がある?科学的根拠と成功の秘訣


5. まとめ

本記事では、腸内環境がスポーツパフォーマンスに与える多岐にわたる影響について解説しました。栄養吸収やエネルギー産生、免疫機能の向上、疲労回復、さらにはメンタル面や集中力に至るまで、腸内環境の良し悪しがアスリートの能力を大きく左右します。また、リーキーガット症候群やSIBOといった腸内環境の乱れは、パフォーマンス低下や体調不良の原因となることがお分かりいただけたでしょう。適度な運動は腸内環境に良い影響を与える一方で、過度な運動は腸管虚血やストレスホルモンにより悪影響を及ぼす可能性も指摘しました。これらの理由から、アスリートにとって腸内環境のケアは不可欠です。プロバイオティクスやプレバイオティクスを意識した食事、適切なサプリメントの活用、そして運動内容と休息のバランスを見直すことで、腸内環境を最適化し、スポーツパフォーマンスを最大限に引き出すことができるでしょう。

この記事を書いた人
Next One Lab 編集長 ともさん

40代で体の衰えを感じ、ゴルフ・ヨガ・キックボクシングのスクールやジムに通い、10年以上スポーツにより健康生活を楽しんでいる現在50代のおじさん。

今まで経験したスポーツだけでなく、これから挑戦したいスポーツも、50代のおじさん目線でメディアを運営しています。

Next One Lab 編集長 ともさんをフォローする
スポーツ栄養・健康食品